3ヶ月点検整備記録簿とは?別表第三の対象車・点検項目・書き方と保存期間
トラックやバス、タクシーの点検整備記録簿を探すと「3ヶ月点検」「別表3」という言葉が出てきます。自家用乗用車の記録簿(別表第六)とは、対象も点検項目も保存期間も違います。マイカー向けの解説は使えません。
3ヶ月点検整備記録簿とは(要点)
- 3ヶ月ごとの定期点検が義務づけられた車の記録簿。様式は自動車点検基準の別表第三(トレーラーは別表第四)
- 対象は事業用自動車、車両総重量8トン以上の自家用車、8トン未満でも乗車定員11人以上の自家用車など(法第48条第1項第1号、点検基準第3条第1項)
- 12ヶ月点検は「3ヶ月ごとの点検に次の点検を加えたもの」
- 保存期間は記載の日から1年間(点検基準第4条第2項)
この記事では、3ヶ月点検の対象になる車、別表第三の主な点検項目、省略できる項目、記録簿の書き方、保存期間、事業者の整備管理者の役割までを、道路運送車両法と自動車点検基準の条文にもとづいて整理します。
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道路運送車両法第48条第1項は、定期点検の間隔を車の種類で3ヶ月・6ヶ月・1年に分けています。3ヶ月ごとの点検が必要なのは、第1号の「自動車運送事業の用に供する自動車及び車両総重量八トン以上の自家用自動車その他の国土交通省令で定める自家用自動車」です。省令にあたる自動車点検基準第3条第1項が、自家用自動車の範囲を次のように定めています。
| 区分 | 具体例 | 根拠 |
|---|---|---|
| 自動車運送事業の用に供する自動車 | 緑ナンバーのトラック、路線バス・貸切バス、タクシー、軽貨物運送(黒ナンバー)など | 法第48条第1項第1号 |
| 車両総重量8トン以上の自家用自動車 | 白ナンバーの大型トラック、大型ダンプなど | 点検基準第3条第1項第1号 |
| 車両総重量8トン未満で乗車定員11人以上の自家用自動車 | マイクロバス、送迎用バスなど | 同第2号 |
| レンタカー(道路運送法第80条第1項の許可)のうち一部の車種 | 貨物用の普通・小型自動車、幼児の運送用、特種用途の普通・小型自動車、大型特殊自動車など(二輪を除く) | 同第3号 |
白ナンバーの自家用トラックでも、車両総重量8トン未満なら3ヶ月点検ではなく6ヶ月点検(別表第五)です。レンタカーの乗用車も6ヶ月点検に分類されます。どの別表になるかは、車検証の「自家用・事業用の別」「用途」「車両総重量」「乗車定員」を見れば判断できます。別表の全体像は点検整備記録簿の様式一覧|別表3・4・5・6・7の違いにまとめています。
別表第三と別表第四の違い
自動車点検基準第2条は、法第48条第1項第1号の自動車のうち、被牽引自動車を除くものを別表第三、被牽引自動車(トレーラー)を別表第四としています。トラクタ(けん引車)は別表第三、引かれるトレーラーは別表第四と、1組の連結車でも記録簿は別々に作ります。どちらも点検時期は3ヶ月ごとと12ヶ月ごとです。
3ヶ月ごとの点検と12ヶ月ごとの点検
点検は年4回です。別表第三は「3月ごと」と「12月ごと(3月ごとの点検に次の点検を加えたもの)」の2列で構成されています。12ヶ月点検は3ヶ月点検の項目すべてに、12ヶ月ごとの項目を足したものです。1年のうち3回は3ヶ月点検、1回は12ヶ月点検という回し方になり、12ヶ月点検の記録簿には両方の列の結果を記入します。
主な点検項目を抜粋すると次のとおりです(項目名は別表第三の表記)。
| 点検箇所 | 3ヶ月ごと | 12ヶ月ごとに加える点検 |
|---|---|---|
| ブレーキ・ペダル | 遊び及び踏み込んだときの床板とのすき間、ブレーキの効き具合 | ― |
| 駐車ブレーキ機構 | 引きしろ、ブレーキの効き具合 | ― |
| ブレーキ・チャンバ | ロッドのストローク | 機能 |
| ブレーキ・ディスク及びパッド | ディスクとパッドとのすき間、パッドの摩耗 | ディスクの摩耗及び損傷 |
| ホイール | タイヤの状態、ホイール・ナット及びホイール・ボルトの緩み、フロント・ホイール・ベアリングのがた | ホイール・ナット及びホイール・ボルトの損傷、リム・サイド・リング及びディスク・ホイールの損傷、リヤ・ホイール・ベアリングのがた |
| エア・サスペンション | エア漏れ、ベローズの損傷、取付部及び連結部の緩み及び損傷 | レベリング・バルブの機能 |
| クラッチ | ペダルの遊び及び切れたときの床板とのすき間、作用、液量 | ― |
| エア・コンプレッサ | エア・タンクの凝水 | コンプレッサ、プレッシャ・レギュレータ及びアンローダ・バルブの機能 |
| 車枠及び車体 | 非常口の扉の機能、緩み及び損傷、スペアタイヤ取付装置の緩み・がた及び損傷など | ― |
| かじ取り車輪 | ― | ホイール・アライメント |
| 二重安全ブレーキ機構 | ― | 機能 |
| 座席 | ― | 座席ベルトの状態(人の運送用に限る) |
| 開扉発車防止装置 | ― | 機能 |
| その他 | シャシ各部の給油脂状態 | 車載式故障診断装置の診断の結果(大型特殊自動車を除く) |
エア・ブレーキやエア・サスペンション、非常口、開扉発車防止装置など、大型車やバスに特有の装置が並んでいるのが別表第三の特徴です。自家用乗用車の別表第六にはない項目なので、様式を取り違えると点検漏れにつながります。
点検を省略できる項目と記号P
別表第三の注には、条件つきで省略できる項目が定められています。省略した項目には、記録簿の作業区分の記号P(省略)を記入します。
| 印 | 内容 |
|---|---|
| (※2) | 車検証の交付を受けた日又はその点検を行った日以降の走行距離が3ヶ月あたり2,000km以下の自動車は、前回その点検を行うべき時期に点検をしていれば省略できる |
| (※4) | 点火プラグが白金プラグ又はイリジウム・プラグの場合、点火プラグの状態の点検を省略できる |
反対に、対象が限られている項目もあります。(※1)は人の運送の用に供する自動車に限る点検(座席ベルトの状態など)、(※3)は車両総重量8トン以上又は乗車定員30人以上の自動車に限る点検(リヤ・ホイール・ベアリングのがたなど)です。対象外の車では、該当なしの記号「/」を使います。記号の使い分けは点検整備記録簿の記号の意味|レ・×・△・A・C・T・L・P早見表で確認できます。
3ヶ月点検整備記録簿の書き方
記載事項は自家用乗用車の記録簿と同じで、道路運送車両法第49条第1項と自動車点検基準第4条第1項に定められています。
- 車両の情報:自動車登録番号(軽自動車は車両番号)、点検時の総走行距離。走行距離は(※2)の省略の判断にも使うので、正確に記入します
- 点検の年月日:3ヶ月点検か12ヶ月点検かがわかるように、様式の該当欄に記入します
- 点検の結果:項目ごとにレ(異状なし)、×(交換)、△(修理)、A(調整)、T(締付)、C(清掃)、L(給油)、P(省略)、/(該当なし)を記入します
- 整備の概要と整備を完了した年月日:交換した部品や調整した箇所、ブレーキ・ライニングの厚さなどの測定値を記入します
- 実施者:点検・整備をした者の氏名又は名称及び住所。自社の整備管理者のもとで点検した場合も、実施した者を記入します
3ヶ月点検の途中でブレーキ・チャンバやドラムを取り外すなどの分解整備をした場合、認証工場では特定整備記録簿にも記載して写しを渡します。分解整備の範囲は分解整備記録簿とは?今の特定整備記録簿との違いで整理しています。
保存期間は1年
点検整備記録簿の保存期間は、自動車点検基準第4条第2項で「第二条第一号から第四号までに掲げる自動車にあつては一年間、同条第五号及び第六号に掲げる自動車にあつては二年間」とされています。別表第三・第四の車は第1号・第2号にあたるため、記載の日から1年間です。1年間で3ヶ月点検3回分と12ヶ月点検1回分の記録がそろう計算になります。
保存は「当該自動車に備え置く」のが原則です(法第49条第1項)。事業用車では運行の合間に車内の記録簿を確認されることもあるため、車検証と一緒に保管しておくと探す手間がありません。保存期間の一覧は点検整備記録簿の保存期間は1年?2年?で確認できます。
整備管理者と記録簿の管理
一定の台数以上の事業用自動車などを使う事業者は、整備管理者を選任しなければなりません(法第50条、施行規則第31条の3)。たとえば乗車定員11人以上の自動車は1両から、乗車定員10人以下で車両総重量8トン以上の自家用自動車や、乗車定員10人以下の事業用自動車は5両から選任の対象です。
事業者が整備管理者に与えなければならない権限には、定期点検の実施や点検の実施計画の策定と並んで、点検整備記録簿その他の点検及び整備に関する記録簿を管理することが含まれています(施行規則第32条第1項第7号)。3ヶ月ごとに台数分の記録簿が増えていくため、点検の予定と記録簿を台帳で突き合わせ、点検漏れや記録簿の紛失がないか確認する運用が求められます。
6ヶ月点検(別表第五)との違い
| 項目 | 3ヶ月点検(別表第三) | 6ヶ月点検(別表第五) |
|---|---|---|
| 主な対象 | 事業用自動車、車両総重量8トン以上の自家用車、乗車定員11人以上の自家用車など | 8トン未満の自家用貨物車(4ナンバー・1ナンバー)、レンタカーの乗用車、特種用途の自家用車(8ナンバー)など |
| 点検時期 | 3ヶ月ごと・12ヶ月ごと | 6ヶ月ごと・12ヶ月ごと |
| 保存期間 | 1年間 | 1年間 |
| 根拠 | 法第48条第1項第1号 | 法第48条第1項第2号、点検基準第3条第3項 |
6ヶ月点検の記録簿の書き方は12ヶ月点検・定期点検整備記録簿の書き方|別表5・6で解説しています。

3ヶ月ごとの記録簿作成をシステムで減らす
3ヶ月点検の車を10台管理していれば、記録簿は年に40枚。毎回、登録番号や車台番号を書き写し、同じ点検項目に同じ記号を付けていく作業は、台数が増えるほど負担が大きくなります。
指定整備記録簿作成システムは、点検基準の別表3・4・5・6・7に全対応しています。車検証の情報は一度入力すれば次回から呼び出せ、パターン化した点検結果や整備内容は保存して一括で反映できます。記入漏れや基準値から外れた数値は警告で知らせるので、3ヶ月ごとの点検でも確認の手間を減らせます。白紙のA3・A4コピー用紙に印刷でき、社内の保管はPDFで行えます。
記録簿作成システムの画面(画面は見本)


整備工場・指定工場の方へ
指定整備記録簿を、白紙のコピー用紙に1枚最短5分で
手書きで1枚約25分かかる記録簿を、パソコンやタブレットの入力で最短5分に。車検証の内容から検査基準をシステムが判定し、記入漏れや基準値違反は警告で知らせます。
- 点検基準 別表3・4・5・6・7に全対応(指定車検・持ち込み車検・定期点検・分解整備)
- 白紙のA3・A4コピー用紙に印刷。複写式用紙とドットプリンターは不要、社内保管はPDFで
- 保安基準適合証・適合標章・点検ステッカーの日付も自動で計算
- スキャナーで車検証を読み取るOCR入力にも対応
- 一部の検査機器(テスター)との連動にも対応。詳しくはご相談ください
印字サンプルは、フォームに入力したメールアドレスへ自動返信でお届けします。

よくある質問(FAQ)
3ヶ月点検が必要な車は何ですか?
自動車運送事業の用に供する自動車(緑ナンバーのトラック・バス・タクシーなど)、車両総重量8トン以上の自家用自動車、車両総重量8トン未満で乗車定員11人以上の自家用自動車、レンタカーのうち一部の車種などです(道路運送車両法第48条第1項第1号、自動車点検基準第3条第1項)。
3ヶ月点検整備記録簿の様式はどれですか?
自動車点検基準の別表第三です。被牽引自動車(トレーラー)は別表第四を使います。
3ヶ月点検整備記録簿の保存期間は何年ですか?
記載の日から1年間です(自動車点検基準第4条第2項)。自家用乗用車の2年間とは違うので注意が必要です。
12ヶ月点検のときは3ヶ月点検の項目も点検しますか?
はい。別表第三の12ヶ月ごとの点検は、3ヶ月ごとの点検に次の点検を加えたものと定められています。12ヶ月点検の記録簿には3ヶ月点検の項目も記入します。
走行距離が少なければ点検を省略できますか?
別表第三で(※2)印が付いた項目は、走行距離が3ヶ月あたり2,000km以下の自動車なら、前回その点検を行うべき時期に点検をしていれば省略できます。省略した項目には記号Pを記入します。
