点検整備記録簿の保存期間は1年?2年?車両区分別の早見表で解説

「点検整備記録簿は何年保存すればいいのか」は、整備工場でもユーザーでも迷いやすいポイントです。1年と書かれている資料もあれば、2年と書かれている資料もあり、さらに特定整備記録簿・指定整備記録簿になると期間が変わります。

結論から言えば、点検整備記録簿の保存期間はその自動車が対象となる定期点検の周期によって1年または2年に分かれます。この記事では車両区分別の早見表と、記録簿の種類ごとの保存義務、保管方法までまとめます。

点検整備記録簿の保存期間は1年と2年の2種類

自動車点検基準第4条により、点検整備記録簿の保存期間は次のように定められています。

点検周期の区分 保存期間
3ヶ月点検・6ヶ月点検の対象車 1年間
1年(12ヶ月)点検の対象車 2年間

「事業用は1年、自家用乗用車は2年」と覚えられることが多いのは、この区分が理由です。ただし正確には車種の名前ではなく点検周期で決まる点に注意してください。

車両区分別・保存期間の早見表

実際の車両にあてはめると次のようになります。

車両 定期点検の周期 記録簿の保存期間
自家用乗用車(マイカー) 12ヶ月・24ヶ月 2年間
軽自動車(自家用乗用) 12ヶ月・24ヶ月 2年間
二輪自動車 12ヶ月・24ヶ月 2年間
事業用バス・トラック・タクシー 3ヶ月・12ヶ月 1年間
自家用大型トラック(8トン以上) 3ヶ月・12ヶ月 1年間
被牽引自動車(トレーラー) 3ヶ月・12ヶ月 1年間
自家用中小型トラック 6ヶ月・12ヶ月 1年間
レンタカー(乗用車) 6ヶ月・12ヶ月 1年間

自家用乗用車の2年間という期間は、ちょうど次の車検までの間隔と一致します。そのため実務上は、車検証入れに記録簿を一緒に入れておけば保存義務を自然に満たせる形になっています。

「保存」とは車に備え置くこと

点検整備記録簿の保存は、道路運送車両法第49条第1項で「自動車に備え置くこと」と定義されています。事務所の書庫にしまっておくのではなく、その自動車に積んでおくのが原則です。

地方運輸局長等から点検整備記録簿の提示を求められた際に、直ちに明瞭な状態で示すことができる必要があります。車検証と一緒に保管しておくのが最も確実です。

特定整備記録簿・指定整備記録簿の保存期間は2年

整備工場が作成する事業者側の記録簿は、点検整備記録簿とは別に保存義務があります。

記録簿 作成者 保存期間 根拠
特定整備記録簿 自動車特定整備事業者(認証工場) 記載の日から2年間 道路運送車両法 第91条
指定整備記録簿 指定自動車整備事業者(指定工場) 記載の日から2年間 道路運送車両法 第94条の6

こちらは工場側が事業所で保存する記録です。監査では必ず確認される書類であり、記載漏れや保存漏れは行政処分の対象になり得ます。ユーザーに渡す点検整備記録簿とは保存主体が違うことを理解しておきましょう。

保存期間を過ぎた記録簿はどうする

法定の保存期間を過ぎた記録簿は、法律上は廃棄しても問題ありません。ただし実務上は、次の理由から長めに残しておく判断もあります。

  • 整備履歴としての価値:過去の交換部品や整備内容がわかると、次回以降の見積もり・診断が正確になります
  • 売却時の査定:中古車市場では記録簿が揃っている車両は評価が上がる傾向があります
  • トラブル時の証拠:整備内容をめぐる問い合わせがあった際、記録が残っていれば説明できます

一方で、記録簿には車台番号・使用者の氏名住所といった個人情報が含まれます。廃棄する際はシュレッダー処理など、適切な方法をとってください。

電磁的記録での保存も認められている

点検整備記録簿・特定整備記録簿・指定整備記録簿は、いずれも電磁的記録(電子データ)での作成・保存が認められています。紙のファイルを何年も棚に積み上げる必要はありません。

ただし国土交通省のガイドラインでは、電磁的記録で保存する場合に次の措置が求められています。

  • 記録簿の電磁的記録を検索することができる措置を講じること
  • 電磁的記録媒体に移行することができる措置を講じること
  • 作成・保存・更新・消去の日時、更新箇所、作業者を自動的に記録・保存すること
  • 保管場所を定めて施錠する等、不正改ざんを防止すること
  • バックアップを行い、データ消失対策を行うこと

単にPDFをフォルダに入れておくだけでは要件を満たしません。整備記録システムとして、履歴管理と改ざん防止の仕組みが必要になります。

保存期間をめぐって現場で起きやすい誤解

「車検のたびに古い記録簿を捨ててよい」は誤り

自家用乗用車の保存期間は2年間ですが、これは記載の日から2年です。車検のタイミングと完全には一致しないため、車検が終わった瞬間に前回分を廃棄すると、期間内の記録を失うことがあります。12ヶ月点検を受けている場合は、その記録簿も別途保存対象です。

「事業用は一律1年」も正確ではない

保存期間を決めるのは車種の名前ではなく、その車両が対象となる点検周期です。事業用自動車は3ヶ月点検の対象なので1年間ですが、同じ「トラック」でも自家用の中小型トラックは6ヶ月点検の対象で、こちらも1年間。一方、自家用乗用車と二輪自動車は12ヶ月・24ヶ月点検の対象なので2年間になります。車検証で用途・車両総重量・乗車定員を確認するのが確実です。

点検整備記録簿と事業者側の記録簿は別々に数える

整備工場では、1台の入庫に対して複数の記録簿が発生することがあります。ユーザーに渡す点検整備記録簿(1年または2年)、自社で保存する特定整備記録簿(2年)、指定工場なら指定整備記録簿(2年)。それぞれ保存主体も期間も別に管理する必要があります。「まとめて2年で運用する」という整理をしている工場が多いのは、この管理を簡素化するためです。

紙の保管スペースが限界に来ていませんか

年間700台の車検をこなす工場なら、2年で1,400枚以上の記録簿が溜まります。複写式用紙は1枚あたりの厚みもあり、保管スペースを圧迫していきます。過去の記録簿を1枚探し出すのに時間がかかるという声もよく聞きます。

システムで記録簿を作成していれば、社内保管はPDFデータで完結できます。車両ごと・日付ごとに検索でき、必要なときだけ印刷すればよいため、キャビネットを増やす必要がありません。

記録簿の作成に1枚20〜30分かかっていませんか?

指定整備記録簿作成システムなら、パソコン・タブレットの入力で1枚あたり最短5分。車検証の内容から検査基準をシステムが判定し、記入漏れや基準値違反は警告でお知らせします。保適証・標章・点検ステッカーの日付も自動計算。白紙のA3・A4コピー用紙に両面印刷できるので、複写式用紙もドットプリンターも必要ありません。

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よくある質問(FAQ)

点検整備記録簿の保存期間は何年ですか?

3ヶ月点検・6ヶ月点検の対象車は1年間、1年(12ヶ月)点検の対象車は2年間です。自家用乗用車や軽自動車、二輪自動車は2年間の保存が必要です。

特定整備記録簿の保存期間は何年ですか?

道路運送車両法第91条により、記載の日から2年間の保存が義務づけられています。指定整備記録簿も同法第94条の6により2年間です。

点検整備記録簿はどこに保管しますか?

道路運送車両法第49条第1項では「自動車に備え置くこと」とされています。車検証と同じケースに入れて車内に保管するのが確実です。

保存期間を過ぎた点検整備記録簿は捨ててよいですか?

法律上は廃棄して問題ありません。ただし整備履歴としての価値や売却時の査定を考えて残す判断もあります。車台番号や氏名住所が記載されているため、廃棄時はシュレッダー処理など適切な方法をとってください。

点検整備記録簿を電子データで保存してもよいですか?

認められています。ただし検索できる措置、更新履歴と作業者の自動記録、不正改ざん防止、バックアップなどの措置が求められます。単にPDFをフォルダに置くだけでは要件を満たしません。

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