12ヶ月点検・定期点検整備記録簿の書き方|別表5・6の記入例と項目

12ヶ月点検(法定1年点検)は、車検のない年に行う定期点検整備です。車検と違って受けなくても罰則が科されにくいため軽視されがちですが、道路運送車両法第48条にもとづく使用者の義務であり、結果は点検整備記録簿に記録して保存しなければなりません。

この記事では、12ヶ月点検整備記録簿の書き方を、車両区分ごとの様式の違いとあわせて解説します。自家用乗用車の別表第六、自家用貨物車の別表第五、事業用の別表第三で、点検項目数も保存期間も変わります。

12ヶ月点検は全区分に共通する点検

定期点検の周期は車両区分によって異なりますが、12ヶ月点検はすべての区分に共通して存在します。

車両区分 点検周期 使用する別表 記録簿の保存期間
事業用自動車、自家用大型自動車等 3ヶ月・12ヶ月 別表第三 1年間
被牽引自動車(トレーラー) 3ヶ月・12ヶ月 別表第四 1年間
自家用貨物自動車、レンタカー等 6ヶ月・12ヶ月 別表第五 1年間
自家用乗用自動車、軽自動車 12ヶ月・24ヶ月 別表第六 2年間
二輪自動車(自家用) 12ヶ月・24ヶ月 別表第七 2年間

自家用乗用車の場合、車検の年に24ヶ月点検、その間の年に12ヶ月点検を行うサイクルになります。どちらも様式は別表第六で、1枚の記録簿に12ヶ月点検欄と24ヶ月点検欄が併記されている形式が一般的です。

12ヶ月点検の点検項目

自家用乗用車の12ヶ月点検はおよそ26項目、24ヶ月点検はおよそ56項目です。事業用自動車の12ヶ月点検は項目数がさらに多く、区分によって異なります。

12ヶ月点検の主な点検箇所は次のとおりです。

  • かじ取り装置:ハンドルの操作具合、ロッド・アームの緩みやガタ、パワーステアリング装置のベルトの緩み・損傷
  • 制動装置:ブレーキペダルの遊びと踏み込んだときの床板とのすき間、ブレーキの効き具合、駐車ブレーキの引きしろと効き具合、ブレーキ液の量、ホース・パイプの漏れや損傷、ディスク・パッドの摩耗、ドラム・ライニングのすき間
  • 走行装置:ホイール・ナットの緩み、タイヤの状態
  • 緩衝装置:取付部・連結部の緩みや損傷
  • 動力伝達装置:クラッチペダルの遊び、変速機のオイル漏れ・量、プロペラシャフトの緩み
  • 電気装置:点火プラグの状態、バッテリーターミナルの緩み・腐食、電気配線の損傷
  • 原動機:排気の状態、エアクリーナーエレメントの汚れ、低速・加速の状態、冷却水やオイルの漏れ
  • 排出ガス発散防止装置:メターリングバルブ、ブローバイガス還元装置の配管など

走行距離や使用条件によって省略できる項目があり、その場合は記号「P(省略)」を記入します。

12ヶ月点検整備記録簿の書き方

1. 車両情報を記入する

自動車登録番号(軽自動車は車両番号)、車台番号、初度登録年月、型式、点検時の総走行距離を記入します。車検証を見ながら転記する作業です。

2. 点検の結果をチェック記号で記入する

運輸局の記載要領で定められた作業区分の記号を使います。

  • :点検の結果、異状がなかった
  • ×:交換した(部品、油脂、液類の交換)
  • :修理した(摩耗、損傷などのため部品を修復)
  • A:調整した/T:締め付けた/C:清掃した/L:給油した
  • P:規定により点検を省略した
  • :該当する装置が無い

特定整備を伴った場合は、チェック記号を○で囲むなどして記載します。

3. 測定値を記入する

ブレーキ・パッドやライニングの厚み(mm)、ブレーキペダルの遊びと床板とのすき間(mm)、駐車ブレーキの引きしろ(ノッチ数)、タイヤの溝の深さ(mm)などを数値で記入します。

4. 整備の概要を記載する

交換した主な部品名や測定結果を記載します。エンジンオイルやオイルフィルターの交換、ブレーキ液の交換など、実施した作業を具体的に書きます。

5. 点検年月日・整備完了年月日・実施者を記入する

点検を行った日、整備が完了した日、実施者の氏名または名称・住所を記入します。整備工場が実施した場合は工場名・住所・認証番号などを記載します。

12ヶ月点検を受けないとどうなるか

自家用乗用車の場合、12ヶ月点検を受けなくても直ちに罰則が適用されるわけではありません。しかし次のようなデメリットがあります。

  • 法定点検の未実施は道路運送車両法上の義務違反にあたります
  • メーカー保証や延長保証の条件として法定点検の実施が求められる場合があります
  • 整備履歴が途切れるため、売却時の査定で不利になることがあります
  • 不具合の早期発見の機会を失い、結果的に修理費が高くつくことがあります

事業用自動車では扱いが異なり、点検の未実施や記録簿の不備は監査の対象となります。運行管理と車両管理の両面から厳格な運用が求められます。

点検ステッカー(点検整備済ステッカー)

法定点検を実施すると、フロントガラスに貼る点検整備済ステッカーが交付されます。次回の点検時期を示すもので、車検の有効期限を示す検査標章とは別のものです。

ステッカーに記載する次回点検時期の計算は、点検の実施日をもとに行います。手作業では計算ミスや貼り間違いが起こりやすい部分です。

年に何度も発生する記録簿作成をどう効率化するか

整備工場にとって、12ヶ月点検は車検と並ぶ入庫の柱です。車検(24ヶ月点検)と違って検査ラインを通さないぶん、記録簿作成が作業時間に占める割合はむしろ大きくなります。

指定整備記録簿作成システムは、指定車検・持ち込み車検・定期点検・分解整備のすべてに対応し、別表3・4・5・6・7に全対応しています。12ヶ月点検でも24ヶ月点検でも、同じ操作感で記録簿を作成できます。

  • パターン化している内容は保存しておいて一括反映
  • 交換部品の名称は一度設定すれば選ぶだけ
  • 記入漏れや基準値違反はチェック機能が警告
  • 点検ステッカーや保適証、標章の日付を自動計算
  • 白紙のA3・A4コピー用紙に印刷、社内保管はPDFデータで

実際の記録簿とほぼ同じレイアウトで直感的に入力でき、ドラッグしてまとめて操作することもできます。パソコン初心者や、長期間検査員をしていなかった方でもすぐに慣れる操作性です。

記録簿の作成に1枚20〜30分かかっていませんか?

指定整備記録簿作成システムなら、パソコン・タブレットの入力で1枚あたり最短5分。車検証の内容から検査基準をシステムが判定し、記入漏れや基準値違反は警告でお知らせします。保適証・標章・点検ステッカーの日付も自動計算。白紙のA3・A4コピー用紙に両面印刷できるので、複写式用紙もドットプリンターも必要ありません。

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よくある質問(FAQ)

12ヶ月点検はすべての車が対象ですか?

はい。定期点検の周期は車両区分によって異なりますが、12ヶ月点検はすべての区分に共通して存在します。自家用乗用車は12ヶ月・24ヶ月、自家用貨物車は6ヶ月・12ヶ月、事業用自動車は3ヶ月・12ヶ月という組み合わせです。

12ヶ月点検を受けないとどうなりますか?

自家用乗用車では直ちに罰則が適用されるわけではありませんが、道路運送車両法上の義務違反にあたります。メーカー保証の条件を満たさなくなる場合や、売却時の査定で不利になることがあります。事業用自動車では監査の対象となります。

12ヶ月点検の点検項目は何項目ですか?

自家用乗用自動車の12ヶ月点検はおよそ26項目です。かじ取り装置、制動装置、走行装置、緩衝装置、動力伝達装置、電気装置、原動機、排出ガス発散防止装置などを点検します。

点検整備済ステッカーとは何ですか?

法定点検を実施した際にフロントガラスに貼るステッカーで、次回の点検時期を示します。車検の有効期限を示す検査標章とは別のものです。

自家用貨物自動車の12ヶ月点検はどの様式ですか?

別表第五を使用します。保存期間は1年間です。事業用自動車や車両総重量8トン以上の自家用自動車は別表第三となります。

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