24ヶ月点検(車検)整備記録簿の書き方と記入例|別表第六を解説
24ヶ月点検整備記録簿は、車検(継続検査)に合わせて行う法定24ヶ月点検の結果を記録する書類です。自家用乗用車・軽自動車が対象で、自動車点検基準の別表第六にあたります。
この記事では、24ヶ月点検整備記録簿の書き方を、記入欄ごとに順を追って解説します。点検項目は約60項目あり、記号の使い分けや数値の記入にはルールがあります。整備工場の新人教育にも、ユーザー車検を検討している方にも使える内容です。
24ヶ月点検整備記録簿の全体構成
別表第六の記録簿は、大きく次のブロックに分かれています。
- 車両情報欄:自動車登録番号、車台番号、初度登録年月、走行距離など
- 点検の結果欄:装置ごとの点検項目にチェック記号を記入
- 検査機器等による検査欄:制動力、サイドスリップ、ヘッドライト、排出ガスなどの実測値
- 整備の概要欄:交換部品や測定結果などを文章・数値で記載
- 実施者欄:点検整備を実施した者の氏名または名称・住所、点検年月日、整備完了年月日
まず車両情報欄を記入する
自動車点検基準第4条第1項では、記録簿に次の事項を記載することとされています。
- 登録自動車は自動車登録番号、車両番号の指定を受けた自動車は車両番号、その他は車台番号
- 点検または特定整備時の総走行距離
- 点検または整備を実施した者の氏名または名称および住所(使用者本人が実施した場合は氏名または名称のみ)
加えて、道路運送車両法第49条により、点検の年月日、点検の結果、整備の概要、整備を完了した年月日を記載します。
車検証の内容を書き写す作業がここで発生します。登録番号、車台番号、初度登録年月、型式、原動機の型式——手書きの場合、この転記だけで数分かかり、書き間違いも起こりやすい箇所です。
点検の結果欄の書き方
点検項目ごとに、運輸局の記載要領で定められた作業区分のチェック記号を記入します。
| 記号 | 作業区分 | 意味 |
|---|---|---|
| レ | 点検 | 点検の結果、異状がなかった |
| × | 交換 | 部品、油脂、液類を交換した |
| △ | 修理 | 摩耗、損傷などのため部品を修復した |
| A | 調整 | 遊び、すき間、角度などを基準値に戻した |
| T | 締付 | 緩んだ箇所を増し締めした |
| C | 清掃 | 粉塵、油などによる汚れを取り除いた |
| L | 給油 | 油脂、液類を補給した |
| P | 省略 | 点検基準の規定により省略できる項目を省略した |
| / | 該当なし | 該当する装置が無い |
「×=不良」と誤解されがちですが、記載要領上の×は交換です。点検整備の際に特定整備を伴った場合は、チェック記号を○で囲むなどして記載します。
該当なし(/)を使う代表的なケース
- オートマチック車のクラッチペダル関連項目
- ディーゼル車におけるスパークプラグなどガソリン車固有の項目
- ドラムブレーキ非装着車のブレーキドラム関連項目
省略(P)を使う代表的なケース
自動車点検基準では、走行距離などの条件によって点検を行わないことができる項目が定められています。点火プラグの状態やブレーキ・パッドの摩耗などが該当します。装置は付いているが規定により省略した場合はPを記入します。
検査機器等による検査欄の書き方
テスターで測定した数値を記入します。主な項目は次のとおりです。
- 制動力:前軸・後軸・駐車ブレーキの制動力(kN)と、軸重に対する割合
- サイドスリップ:mm/m
- ヘッドライト:光度(cd)と光軸のずれ
- 排出ガス:CO(%)、HC(ppm)
- ブレーキ・パッド/ライニングの厚み:mm
- タイヤの溝の深さ:mm
制動力の判定は、自動車検査証に記載された軸重をもとに計算します。各軸重の測定が困難な場合は、車検証記載の前軸重に55kgを加えた値を前軸重欄に記載するといった細かな取扱いも定められています。
制動力の総和を審査時車両状態における自動車の重量で除した値が4.90N/kg以上(kgf表記の場合は50%以上)であることなど、判定基準は複数あり、電卓での手計算はミスが起きやすい部分です。
整備の概要欄には部品名と測定値を書く
記載要領では、整備の概要について「交換した主な部品(ブレーキ液、ブレーキ・ホース等)や測定結果(ブレーキ・ライニング、ブレーキ・パッドの厚み等)も必要に応じ記載する」とされています。
記号だけで終わらせず、何を交換したのか、実測値はいくつだったのかを書き添えることで、記録簿としての価値が上がります。次回点検時の判断材料になり、ユーザーへの説明資料にもなります。
実施者欄と日付欄
点検年月日と整備完了年月日を記入し、点検整備を実施した者の氏名または名称・住所を記載します。整備工場が実施した場合は工場名と住所、認証番号などを記入します。
使用者自身が点検した場合(ユーザー車検など)は、使用者の氏名または名称を記入します。この場合、住所の記載は不要です。
24ヶ月点検整備記録簿の保存期間は2年
別表第六に該当する自動車の点検整備記録簿は、記載の日から2年間の保存が必要です(自動車点検基準第4条第2項)。ちょうど次の車検までの期間にあたるため、車検証と一緒に車内に保管しておくのが実務的です。
1枚20〜30分の作業を最短5分にする
24ヶ月点検整備記録簿は約60項目におよび、車検証の転記、記号の記入、数値の測定値記入、判定計算、交換部品名の記載と、手書きでは1枚あたり20〜30分かかるのが実情です。記載内容がパターン化していても、毎回1から書き直さなければなりません。
指定整備記録簿作成システムを使えば、この作業は最短5分になります。
- パターン化している内容は保存しておき、一括反映できます
- 交換部品の名称は一度設定しておけば、記録簿作成時は選ぶだけです
- 複雑・多様化する検査基準は、車検証の内容を元にシステムが判定します
- チェック機能により、記入漏れや基準値違反の数値は警告で気づけます
- 保適証や標章、点検ステッカーの日付を自動計算します
- 自動車整備ソフトから車検証を取り込めるため、転記作業自体をなくせます
年間車検台数が700台の工場なら、1台20分の短縮で年間約233時間。1日8時間換算で約29日分の時間が生まれます。生み出した時間をフロント業務や整備の指示・判断に回すこともできますし、1日に整備可能な車両数を増やすこともできます。
記録簿の作成に1枚20〜30分かかっていませんか?
指定整備記録簿作成システムなら、パソコン・タブレットの入力で1枚あたり最短5分。車検証の内容から検査基準をシステムが判定し、記入漏れや基準値違反は警告でお知らせします。保適証・標章・点検ステッカーの日付も自動計算。白紙のA3・A4コピー用紙に両面印刷できるので、複写式用紙もドットプリンターも必要ありません。
よくある質問(FAQ)
24ヶ月点検整備記録簿はどの様式を使いますか?
自家用乗用自動車と軽自動車は自動車点検基準の別表第六を使用します。二輪自動車の場合は別表第七です。
24ヶ月点検整備記録簿に何を記載しますか?
自動車登録番号または車両番号・車台番号、点検時の総走行距離、点検の年月日、点検の結果、整備の概要、整備を完了した年月日、点検整備を実施した者の氏名または名称および住所を記載します。
24ヶ月点検の点検項目は何項目ありますか?
自家用乗用自動車の24ヶ月点検はおよそ56〜60項目です。12ヶ月点検はおよそ26項目で、1つの様式に両方の欄が併記されている形式が一般的です。
24ヶ月点検整備記録簿の保存期間は何年ですか?
記載の日から2年間です。自動車点検基準第4条第2項により、別表第六・第七に該当する自動車は2年間の保存が必要です。
記録簿の作成にはどれくらい時間がかかりますか?
手書きの場合、車検証の転記や記号の記入、判定値の計算を含めて1枚あたり20〜30分かかるのが一般的です。専用システムを使えば最短5分程度まで短縮できます。
