点検整備記録簿がない・紛失した場合の対処法と車検への影響

「点検整備記録簿が見当たらない」「中古車を買ったら記録簿が付いていなかった」「車検の直前に紛失に気づいた」——点検整備記録簿をめぐるトラブルは意外と多く発生します。

この記事では、点検整備記録簿がない場合に車検は受けられるのか、再発行はできるのか、紛失したときにまず何をすべきかを、整備工場側とユーザー側の両方の視点から整理します。

点検整備記録簿がなくても車検は受けられる

結論として、点検整備記録簿がなくても継続検査(車検)そのものは受けられます。検査ラインでは自動車検査証、自動車損害賠償責任保険証明書、自動車税納税証明書などが必須書類となりますが、点検整備記録簿は検査の合否を左右する書類ではないためです。

車検の受付時に「定期点検整備は車検後に実施する」という申し出(いわゆる後整備)を行えば、記録簿がなくても検査を受けること自体は可能です。

ただし、これは「記録簿がなくてよい」という意味ではありません。道路運送車両法第48条の定期点検整備は使用者の義務であり、第49条により記録簿の作成・保存も義務づけられています。記録簿がないということは、法定点検を実施した証明ができない状態だということです。

点検整備記録簿は再発行できるのか

点検整備記録簿は、車検証のように役所が発行する公的な証明書ではありません。そのため運輸支局などで再発行してもらうことはできません

ただし、実務上は次のような方法で記録を取り戻せる可能性があります。

整備を依頼した工場に控えを問い合わせる

点検整備を依頼した整備工場が認証工場・指定工場であれば、特定整備記録簿または指定整備記録簿を2年間保存する義務があります。この控えをもとに、記録簿の写しを出してもらえる場合があります。

ディーラーで整備を受けていた場合も、整備履歴がシステムに残っていることが多く、整備明細の再発行に応じてもらえるケースがあります。まずは整備を依頼した工場に連絡するのが最短です。

整備明細書・請求書で代替する

記録簿そのものが出てこなくても、整備明細書や請求書が残っていれば、どのような整備をいつ行ったかの証明にはなります。売却時の査定や、次の整備工場への引き継ぎでは十分に役立ちます。

これから受ける点検で新しく作成する

過去の記録が復元できない場合は、次回の定期点検整備の際に新しく記録簿を作成してもらいましょう。以後の履歴を積み上げていくことになります。

中古車に記録簿がない場合のリスク

中古車の販売広告で「記録簿あり」「整備記録簿付き」と記載されるのは、その車両の整備履歴が確認できることが価値になるからです。逆に記録簿がない車両には、次のような不確実性が残ります。

  • 過去に法定点検が実施されてきたかどうかがわからない
  • タイミングベルトやウォーターポンプなど、交換時期のある部品の履歴が追えない
  • 走行距離の推移が確認できない
  • 修復歴や重整備の有無を書面で確認できない

記録簿がないこと自体が「悪い車」を意味するわけではありませんが、判断材料が減るのは事実です。購入前に、記録簿の有無と内容は必ず確認しておきたいところです。

紛失を防ぐ保管のコツ

点検整備記録簿の保存は、法律上「自動車に備え置くこと」とされています。地方運輸局長等から提示を求められた際に、直ちに明瞭な状態で示せる必要があります。

紛失を防ぐ最も確実な方法は、車検証と同じケースに入れて車内に保管することです。車検証入れには記録簿を収められるポケットが付いているものが多く、車検のたびに新しい記録簿を追加していけば履歴が一冊にまとまります。

自動車を売却するときは、記録簿も一緒に次のオーナーへ引き継ぐのが一般的です。手元に残しておく必要はありません。

整備工場側は「控えが出せる体制」が信頼になる

ユーザーから「記録簿をなくしたので出してほしい」という問い合わせは、どの工場にも一定数入ります。このとき、過去の記録簿をすぐに探し出して写しを出せるかどうかは、そのまま工場の信頼につながります。

紙の複写式記録簿をファイルに綴じて保管している場合、2年分となると数百枚から千枚以上になり、1枚を探し出すだけで時間がかかります。車両番号や車台番号で検索できない紙の保管は、問い合わせ対応のたびに現場の手を止めることになります。

記録簿をシステムで作成していれば、社内保管はPDFデータで完結します。車両ごと・日付ごとに検索でき、必要な1枚をその場で再印刷して渡せます。国土交通省のガイドラインでも、電磁的記録で保存する場合は「検索することができる措置を講じること」が求められており、検索性はこれからの記録簿管理の前提になっていきます。

記録簿の紛失は「作り直しの手間」も生む

手書きで記録簿を作成している工場では、書き損じや紛失があると、また1から20〜30分かけて書き直すことになります。車検証の内容を書き写し、レ点を入れ、基準値を電卓で計算し、交換部品名を手書きする——この一連の作業を丸ごとやり直す負担は小さくありません。

システムで作成していれば、保存済みのデータを呼び出して再印刷するだけで済みます。白紙のA3・A4コピー用紙に印刷できるため、複写式用紙の在庫を切らして作り直せない、という事態も避けられます。

記録簿の作成に1枚20〜30分かかっていませんか?

指定整備記録簿作成システムなら、パソコン・タブレットの入力で1枚あたり最短5分。車検証の内容から検査基準をシステムが判定し、記入漏れや基準値違反は警告でお知らせします。保適証・標章・点検ステッカーの日付も自動計算。白紙のA3・A4コピー用紙に両面印刷できるので、複写式用紙もドットプリンターも必要ありません。

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よくある質問(FAQ)

点検整備記録簿がなくても車検は受けられますか?

受けられます。継続検査で必須となるのは自動車検査証、自賠責保険証明書、自動車税納税証明書などで、点検整備記録簿は検査の合否を左右する書類ではありません。ただし記録簿の作成・保存は法律上の義務です。

点検整備記録簿は再発行できますか?

役所が発行する公的書類ではないため、運輸支局などでの再発行はできません。ただし整備を依頼した認証工場・指定工場には特定整備記録簿または指定整備記録簿が2年間保存されているため、その控えから写しを出してもらえる場合があります。

中古車に点検整備記録簿がないと問題がありますか?

違法ではありませんが、過去の法定点検の実施状況、交換部品の履歴、走行距離の推移などが確認できません。判断材料が減るため、購入前に記録簿の有無と内容を確認することをおすすめします。

点検整備記録簿を紛失しないためにはどうすればよいですか?

車検証と同じケースに入れて車内に保管するのが最も確実です。車検証入れには記録簿を収められるポケットが付いているものが多く、車検のたびに追加していけば履歴が一冊にまとまります。

車を売却するとき点検整備記録簿はどうしますか?

次のオーナーへ引き継ぐのが一般的です。整備履歴が確認できる車両は査定で評価されやすいため、記録簿は車と一緒に渡してください。

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