ユーザー車検に点検整備記録簿は必要?自分で書く方法と前整備・後整備

ユーザー車検を受けるとき、点検整備記録簿は必要なのでしょうか。「持っていかないと通らない」という話も、「なくても大丈夫」という話も見かけるため、混乱しやすいポイントです。

結論から言えば、点検整備記録簿は継続検査の必須書類ではありません。ただし法定点検の義務は別に存在します。この記事では、ユーザー車検における記録簿の扱いと、自分で記入する場合の書き方を整理します。

継続検査に必要な書類と記録簿の位置づけ

ユーザー車検(継続検査)で必要になる主な書類は次のとおりです。

  • 自動車検査証(車検証)
  • 自動車損害賠償責任保険証明書(新旧2枚)
  • 自動車税納税証明書(電子化により省略できる場合あり)
  • 継続検査申請書
  • 自動車重量税納付書
  • 点検整備記録簿(※任意)

点検整備記録簿は「※任意」の扱いです。検査ラインでの合否を左右する書類ではなく、提出しなくても検査は受けられます。

「前整備」と「後整備」

継続検査の受付では、法定点検を車検の前に実施したか、後に実施するかを申告します。

区分 内容 記録簿
前整備(整備済み) 車検前に24ヶ月点検を実施済み 作成済みの記録簿を提示
後整備 車検後に24ヶ月点検を実施する 検査時には不要(後日実施して作成)

後整備を選べば、検査当日に記録簿を持っていなくても問題ありません。ただしこれは「点検をしなくてよい」という意味ではなく、後日必ず実施するという前提の申告です。

道路運送車両法第48条により定期点検整備は使用者の義務であり、第49条により記録簿の作成・保存も義務づけられています。後整備を選んだまま点検を実施しなければ、義務を果たしていない状態が続くことになります。

自分で点検・記入することはできるのか

できます。法律上、点検整備記録簿の作成義務を負うのは自動車の使用者です。使用者が自ら点検を行い、自分で記入することは何ら問題ありません。

ただし注意点があります。点検項目の中には、分解を伴う作業や、専用のテスターがなければ正確に判定できない項目が含まれます。ブレーキの分解点検などは、知識と工具がなければ安全に実施できません。

実施していない点検について「レ」を記入すると、実施していない点検を実施したと記載したことになります。正直に「省略した」「該当なし」を使い分けるか、判断できない項目は整備工場に依頼するのが適切です。

ユーザー車検で使う様式は「別表第六」

自家用乗用車・軽自動車(二輪を除く)は、自動車点検基準の別表第六が該当します。24ヶ月点検の欄と12ヶ月点検の欄が併記された様式が一般的です。

二輪自動車の場合は別表第七を使用します。

様式は運輸支局の窓口や部品商で入手できるほか、PDFを配布しているサイトからダウンロードして印刷することもできます。振興会指定の複写式用紙でなければならないという決まりはなく、必要な項目と記載内容を満たしていればコピー用紙への印刷で構いません。

点検整備記録簿の記入手順

1. 車両情報を記入する

車検証を見ながら、自動車登録番号(軽自動車は車両番号)、車台番号、初度登録年月、型式、点検時の総走行距離を記入します。

2. 点検結果をチェック記号で記入する

記号 意味
点検の結果、異状がなかった
× 交換した(部品、油脂、液類)
修理した
A 調整した
T 締め付けた
C 清掃した
L 給油した
P 規定により点検を省略した
該当する装置が無い

「×=不良」と誤解している解説が多くありますが、運輸局の記載要領上の×は交換です。注意してください。

3. 測定値を記入する

ブレーキ・パッドやライニングの厚み(mm)、タイヤの溝の深さ(mm)、ブレーキ・ペダルの遊びと床板とのすき間(mm)、駐車ブレーキの引きしろ(ノッチ数)などを記入します。

4. 実施者欄を記入する

使用者自身が点検した場合は、使用者の氏名または名称を記入します。この場合、住所の記載は不要です(点検または整備を実施した者が使用者と同一の場合)。点検年月日と整備完了年月日も記入します。

記録簿は車検証と一緒に保管する

作成した点検整備記録簿は、記載の日から2年間保存します(自家用乗用車の場合)。保存とは「自動車に備え置くこと」と定義されているため、車検証と同じケースに入れて車内に保管するのが確実です。

地方運輸局長等から提示を求められた際に、直ちに明瞭な状態で示すことができる必要があります。

なお、電磁的記録での保存も認められていますが、その場合でも運輸支局や軽自動車検査協会の窓口で検査を受ける際に提示する場合は書面で提示することとされています。

整備工場に依頼するという選択

ユーザー車検は費用を抑えられる一方、点検の質は自分の知識と工具に依存します。ブレーキ周りや足回りなど、安全に直結する部分の判断に不安があるなら、法定点検だけでも整備工場に依頼するのが現実的です。

整備工場に依頼すれば、点検整備記録簿は工場が作成してくれます。指定工場であれば保安基準適合証が交付され、検査ラインを通さずに車検を完了させることもできます。

整備工場側から見た記録簿作成

ユーザー車検の増加は、整備工場にとって「法定点検のみの入庫」という新しい需要も生んでいます。ここで記録簿作成に20〜30分かかっていては、単価の低い法定点検の収益性が下がってしまいます。

指定整備記録簿作成システムは、パソコン・タブレットでの入力により1枚あたり最短5分で記録簿を作成できます。車検証の内容から検査基準をシステムが判定し、記入漏れや基準値違反は警告でお知らせします。パターン化した内容は保存して一括反映でき、交換部品名は選ぶだけです。

白紙のA3・A4コピー用紙に印刷できるため複写式用紙は不要で、システムから印刷するので見た目も手書きより綺麗。お客様に整備内容を説明する際の資料としても使いやすくなります。

記録簿の作成に1枚20〜30分かかっていませんか?

指定整備記録簿作成システムなら、パソコン・タブレットの入力で1枚あたり最短5分。車検証の内容から検査基準をシステムが判定し、記入漏れや基準値違反は警告でお知らせします。保適証・標章・点検ステッカーの日付も自動計算。白紙のA3・A4コピー用紙に両面印刷できるので、複写式用紙もドットプリンターも必要ありません。

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よくある質問(FAQ)

ユーザー車検に点検整備記録簿は必要ですか?

継続検査の必須書類ではなく、検査の合否も左右しません。後整備(車検後に法定点検を実施する)を申し出れば、記録簿がなくても検査を受けられます。ただし定期点検整備と記録簿の作成・保存は使用者の義務です。

点検整備記録簿は自分で書いてもよいですか?

問題ありません。法律上の作成義務は自動車の使用者にあるため、使用者が自ら点検して記入できます。ただし実施していない点検に「レ」を記入しないよう注意してください。

前整備と後整備の違いは何ですか?

前整備は車検前に24ヶ月点検を実施済みの場合で、作成した記録簿を提示します。後整備は車検後に点検を実施する申告で、検査時に記録簿は不要です。後整備を選んだ場合は後日必ず点検を実施する必要があります。

使用者本人が点検した場合、住所は書きますか?

不要です。自動車点検基準第4条第1項では、点検または整備を実施した者が使用者と同一の場合は、その者の氏名または名称のみを記載することとされています。

電子データで保存していれば窓口でもそれを見せてよいですか?

いいえ。運輸支局や自動車検査登録事務所、軽自動車検査協会の窓口で検査を受ける際に点検整備記録簿を提示する場合は、書面で提示することとされています。

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